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ハウルの動く城 (4)

ミステリー(神秘)

魔法使いのサリマンは、宮崎監督の物語の中で最も重要な鍵となる登場人物です。彼女は女性原理の永遠の叡智であり、タロットでの女教皇を示しています。ハウルは自身の持つ女性性への恐れのために、彼女を理解出来ず、全ての決め事を拒絶しましたが、ハウルの大きな問題の解決策として、ソフィーを間接的にでも用意したのはサリマンだったのです。ハウルは自分の心を失いかけており、それ故にモンスターになってしまうところだったのでした。

幸運にもソフィーはハウルの心臓(心)の化身であるカルシファーと取引をしました。カルシファーというのは、城を隠し続け、空想の世界に逃げ続けるためだけに使われる複雑な力の混合体であり、「星」といういかにも不可能なものを所有したいとする欲望のようなものです。水(シンプルな基本的感情である)を用いることで、ソフィーはこの空想の世界を解放し、「星」は空へと帰ることができました。

ハウルが自分の心臓を年老いた、今やもう危険ではなくなった荒地の魔女から取り戻し、その魔女は一般的な母親が新しい花嫁に自分の息子を託すように、ソフィーにハウルの面倒を見ることを約束させます。すると、ハウルの扮装や幻想、そして虚偽のためのシステムであったお城は、バラバラに崩れ去りました。ハウルは今ようやく自由に自分の心を保ち、その心を、自分が愛しまた自分を愛してくれる女性と分かち合うことができるようになったのです。

このピーター・パンの場合は女性の愛によって癒されましたが、ソフィーは決してお決まりのやり方には従いませんでした。彼女は自身の心と直感に従うことで、危機の瞬間にどう対処したらよいかという閃きを得ました。恐らく、唯一の秘密は彼女が本当にハウルを愛していたので、リスクを負う準備ができていたということかもしれません。
ある女性たちはこの挑戦に失敗してしまいます。そのわけは、彼女たちはその男性を愛していて救いたいと思うのですが、無意識的にはただ彼を所有し、コントロールしたいだけなので、それ故に、彼女たちは支配的で非寛容的になってしまうからなのです。

原文はコチラ in English
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by xavier_astro | 2010-01-03 00:00 | 映画  

ハウルの動く城 (3)

ソフィー=ハウルのコンプレックスを癒すもの

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説の中には、映画のストーリーの中で暗示されてはいるものの、宮崎監督が描かなかった重要な要素があります。ソフィーの父親が最近死んだということです。若い女性が男性的サポートを失って、それで彼女がハウルに最初に会った時、いとも容易に恋に落ちてしまったのです。彼女は無防備な若い女性であり、ハウルは彼女が2人の嫌な男に追われているところを助け、直後に彼女と空を飛びました。飛ぶ感覚というのは、女性が瞬時に恋に落ちた時の典型的なセンセーションです。また、深層心理において、飛ぶことは、性的欲求と関係しています。

ソフィーは、捉えどころのないハウルが、自分を支える存在には成り得ないと思うやいなや、地上へと降ろされます。けれども、彼女はその時、既にハウルに惹かれ、彼の無意識につながってしまっているのです。それ故に、ハウルのネガティブ母親コンプレックスである荒地の魔女は彼女に取り憑いたのです。このことは彼女を老婆へと変身させる魔法によって象徴化されています。女性自身がプエルの母親へと変身するのは、女性がピーター・パンに惹き込まれた時の典型的な反応です。

しかしながら、ソフィーはハウルが過去に出会った他の女性とは違っていました。何故なら、彼女は自分自身のため、そして彼のために戦うことに決めたからです。彼女は実際に、彼の隠れ家である動く城に出向いていき、そこで彼を捕まえます。このことは、彼女が彼を理解し、彼の秘密を明らかにするために、彼の無意識の中に入ったのだということを意味しています。

そうして、今度は、ハウルの母親イメージの違った顔に出くわすことになります。それはまた彼女自身のシャドウ、あるいは土星の違った側面や段階の現れです。時間、成熟、そして重労働を象徴するこの天体(土星)との接触(あるいはトランジット)は、私たちに年齢や重たさを感じさせます。悪い魔女の名前、荒地(アーサー王物語の不毛の地に由来している)、は荒廃を意味します。それは、ソフィーとハウルが共に自分の魂の中に持っている孤独を意味します。

この映画の中の宮崎監督の最もみごとな達成は、どのようにして階段(もう1つの土星のシンボルで、目標達成のための現実的努力を表します)が、荒地の魔女を滅ぼしたか、だと思います。彼女が階段を登らなくてはならなかった時、自分の本当の年齢である老婆へと変わり果てていたのです。この魔女はただの虚栄心の強い、肥大した生き物であり、若い男の心(心臓)を永遠に自分のものにしておきたい年を取ることを恐れた女性だったのです。

ハウルは、傷付いた子供で、嫉妬深いナルシスティックな女性の息子だったのでしょうか? (4)へ続く...

原文はコチラ in English
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by xavier_astro | 2010-01-02 00:00 | 映画  

ザビエより新年のご挨拶

世界的な経済危機や新型インフルエンザの流行による混乱や不確実さが、私たちの住まう現代社会の某弱性に気づかせてくれました。それでも、恐れるあまり我を忘れてしまうならば、私たちは人生の方向を見失い、身動きできないほど脅かされ、生き延びるために自己中心的にしか考えられないような状態に陥ってしまうだろうことを、既に学びました。

私たちは、冥王星が山羊座入りしてからもう既に1年を生き抜きました。今や、私たちは世界がどこに向かおうとしているのかに気づいていますし、慈悲の道(思いやりの心)こそが、心をクリアに保つための確かな方法であることを理解しています。

2010年の占星術のチャートをみると、物質と精神の両次元間での葛藤が出ています。私が思うに、私たちはこの両方の領域で働かねばならないでしょう。

物質的でパーティや美味しいディナーに興じることのできる街、西洋と東洋の伝統を併せ持つ、人を惹き付ける個性的なユニークな街、ここ香港から、日本の大切な友人に、祈りを捧げます。みなさまに今年一年たくさんの幸せと繁栄が訪れますように。
また、スピリチュアル(精神的)な次元からも、いつも私の心にある国、日本にいる友人たち、教え子のみなさん、クライアントのみなさんのことを思い、日々欠かさずお祈りしています。

ザビエ・ベトコート

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by xavier_astro | 2010-01-01 00:00 | メッセージ