あるシンクロニシティの物語

ホルヘは、双子の兄弟カルロスと共に、コロンビアの首都ボゴタで生まれ育ちました。2013年夏、職場の同僚が、とある1枚の写真をホルヘに差し出しました。そこに写っていたのは、ホルヘと姿かたちがそっくりな肉屋の若者でした。さらに驚いたことには、写真の若者、ウィリアムにも双子の兄弟がいて、ホルヘの双子の兄弟と瓜二つでした。24年前、ボゴタの産院で2組の一卵性双生児が、病院側のミスによって入れ替わってしまったのでした。



ホルヘとウィリアムは、1988年12月21日コロンビアの首都ボゴタで生まれました。その翌日、カルロスとウィルバーがコロンビア北部の田舎で生まれ、二人のうちのどちらかが健康上のケアが必要となり、ボゴタの双子と同じ病院に連れて来られました。その後、ホルヘとカルロスはボゴタの家へ戻り、赤ん坊であったウィリアムとウィルバーは北部の田舎へと帰っていったのでした。

この行き違いを整理してみましょう。
ボゴタで生まれた双子の兄弟、ホルヘ(A)とウィリアム(B)は、田舎で生まれたカルロス(C)とウィルバー(D)と入れ替わりました。ホルヘ(A)とカルロス(C)は首都ボゴタの中流階級の家庭で育ち、大学にも通いました。ウィリアム(B)とウィルバー(D)は、コロンビアの貧しい田舎の農民の子として育ちました。

4人の再会はとてもドラマチックで、まるでテレビの連続メロドラマのようでした。特にウィリアム(B)は、毎日畑でサトウキビを斧でたたき切りながら育ち、エリート私立高等学校や大学への進学の希望もかなわず、厳しく、不運な子供時代を過ごしました。これらがすべて病院側のミスから始まったとわかったとき、あまりのことにウィリアム(B)は号泣するばかりでした。ウィリアムが肉屋になることは、彼の最良の選択でした。一方カルロス(C)は都市で育ち、質の良い教育を受けることができただけでなく、前途が開かれていくようなチャンスをも与えられました。カルロス(C)は、まさか自分が、ウィリアム(B)が本来受け取るべき権利を奪っていたなんて、全く知らなかったのです。その上、4人が再会したときにはすでに、ウィリアム(B)の生みの母は4年前にガンで他界していました。ウィリアムは本当の生みの親に会うことが決してできなかったのです。しかし、彼にとってもっとつらかったことは、今まで母だと思って一番愛していた女性が、実は本当の母ではなかったという事実を知ったことでした。

しかしこの物語は、ある種の幸せな結末をもたらしました。といいますのも、4人はそれぞれの中に似ている質があることを、お互いに認め合ったからです。すぐにお互いが好きになり、一風変わったユニークな家族になりました。4人は共に生き、お互いの人生のプロジェクトをサポートし合おうと決めたのです。ラテンアメリカの人々は、心がとても温かく愛情深い人たちなのです。

私たちには、4人の出生時間は分かりません。分かっているのは、田舎で生まれたカルロス(C)とウィルバー(D)が1988年12月22日に生まれたことだけです。もし、ボゴタ生まれの2人が正午に生まれていたら、4人全員の太陽のサインは山羊座になります。しかし、もし、午前中生まれであれば、ホルヘ(A)&ウィリアム(B)の太陽は射手座となり、田舎生まれの2人カルロス(C)&ウィルバー(D)の太陽は山羊座ということになります。
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ニューヨークタイムズの記事によりますと、ホルヘ&ウィリアム(本当の双子:A&B)は、ジョークが好きで、気楽で寛大で冒険心に富んでいるという射手座の特徴を持っています。カルロス&ウィルバー(C&D)は、地に足の着いた、まじめで、自尊心が高く、志が高いという山羊座の特徴を持っています。にもかかわらず、12月21日であれ22日であれ、いずれのチャートでも月は双子座にあります。(まさに双子のサインです!)
そして、たとえ太陽のサインが違っていたとしても、つまり、彼ら4人の気質が本質的に違っていたとしても、全員が天王星・土星・海王星・水星を山羊座に持っていて、山羊座の質がとても強力に作用しています。特に土星は山羊座の支配星であるため、ことさらに強力です。さらに申し上げますと、太陽が山羊座であろうと、射手座であろうと、太陽のサインに関わらず、全員が太陽と土星のタイトなコンジャンクションをチャートに持っています。つまり、彼らの太陽は、土星にコントロールされている配置を持っているのです。

4人のチャートの中にあるとても強力な土星の存在は、厳しく哀しみに満ちた子供時代を物語っています。違った意味で、4人の子供たちは、当時それぞれにつらく厳しい時期を過ごしていました。首都ボゴタで育った二人は、父親がほとんど家にいることがなく、二人をサポートしてくれたのは母親だけでした。後に肉屋になったウィリアム(B)は、いつも「何かが違う、何かがおかしい」と感じながら子供時代を過ごしていました。自分はこの農夫の家族の一員ではないような、疎外感を感じていたのでした。

2組の双子は、それぞれに、「何かがおかしい、何かが間違っている」という思いを抱きながら育ってきたことでしょう。彼らの家族、特にそれぞれの母親も、自分の子供が双子とはいえ根本的に何かが違うという思いを、同じように感じていたに違いありません。
この山羊座の土星と双子座の月の組み合わせはとてもややこしく、扱いにくいのです。双子座の月は、明るくいつも笑顔で、状況に適応することがたやすくできますが、土星と山羊座のパワフルな存在感は、重苦しく暗い影を投げかけ、深い抑うつの感情を感じさせるのでした。厳しい質を持つ土星は、全てのものを適切な場所へと調整せよと要求してきます。それは、根本的な感覚です。ちょっと想像してみて下さい。「何かがおかしい」という感情や直観が常にありながら育ってきた彼ら4人のことを。目の前で起こっていることを、そのままに認めることができないのです。

しかし、子供時代を守護すると同時に貪る者でもある土星は、木星と共に役割分担をしながら作用します。2組の一卵性双生児は、牡牛座で木星回帰(ジュピターリターン)を迎えました(木星は12年でホロスコープを1周します)。そして、4人が再会したとき、トランジットの木星は、彼らの出生の双子座の月を通過中でした。

木星は、シンクロニシティの天体です。つながりの神(The Lord of the Ties)であり、木星の仕事は私たちを、生物学的・社会的・道徳的・霊的法則を統括している根本原理と繋げることなのです。土星は、人間のミス(この場合は、赤ちゃんの取り違え)による分離を引き起こしました。それは、事実に基づいたことであり、物理的な次元の出来事でありました。しかし、きっと土星は、4人それぞれに対して「隠されたテーマ」を手渡したのではないかと思います。それは、4人の若者たちが、過ぎし日々のことを明晰性をもって理解することができるという高いレベルでの目的なのでしょう。例えば、貧しい家庭環境で育ち肉屋になったウィリアム(B)は、子供時代の環境から一体何を学んだのでしょうか?彼は養父母から何を学ばねばならなかったのでしょうか?なぜカルロス(C)は、快適で教育熱心な家庭で育ち、よりよいチャンスを得ることが許されたのでしょうか?

4人のチャートでは、遺伝子と遺伝的特質の天体・冥王星は蠍座にあります。蠍座は冥王星が支配するサインですので、この配置はとても強力です。彼らがようやく再会できた2013年、冥王星は山羊座に数多くある彼らの出生天体の上を通過し(山羊座は土星の支配サインです)、土星は蠍座を運行中でした。土星と冥王星のこの配置は、ある意味、共に作用しあいながら影響を与えます!双子達の魂の、そして生命体としての最も深い層からエネルギーが湧き起り、一人一人が皆、本質的な変容を遂げました。4人が若いうちに再会させてくださり、神様、感謝いたします!

私は、同じチャートを持つ人々が、それぞれに違った方法で自分のチャートを表現することに、常に魅了されてきました。東京で、同じ日の同じ時間に5人の赤ちゃんが生まれたと想像してみて下さい。みんな同じチャートを持っているのですが、それぞれが違った固有の方法で自分のチャートを表現していくのです。
このコロンビアの双子のケースでは、特に一卵性双生児でしたので、より魅力的ですらあります。彼らは、お互いがお互いの鏡のような存在でした。彼らには多くの類似点がありましたが、これからは一人一人がユニークな個としての存在を確立していくために、お互いの違いや特質を理解していくのでしょう。一般的な傾向として、双子が共に成長した場合は、正反対のふるまいをする傾向があります。つまり、アーキタイプは二極性の間を行き来し、全体にバランスをもたらすのです。秩序ある宇宙は、シンボルの森です。そして、「シンボル」という言葉の意味は、ひとつの円の中にある相反するふたつのものが、ひとつに結びつき共にあることなのです。

*以下のリンク記事より取り上げました。ご参考までに。
BBC
New York Times

翻訳:八田直美

※(ご参考)この件に関する記事(日本語)
http://spotlight-media.jp/article/225826249744922757
http://blog.fujitv.co.jp/goody/E20151217001.html

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A STORY OF SYNCHRONICITY

Jorge grew up in his natal Bogota, Colombia, with his twin brother, Carlos; in the summer 2013, a colleague of his office showed him a photo of another young man, a butcher, who looked exactly like him. Most extraordinary, the butcher himself, William, had a twin brother who looked exactly as Jorge’s own twin brother. Two sets of identical twin brothers had been switched by mistake at a maternal hospital in Bogota twenty four years before.

Jorge and William were born in Bogota on Dec/21, 1988; one day later, Carlos and Wilber were born in a Northern province in Colombia but they were taken to the same hospital in Bogota because one of them had some kind of condition. So, Jorge and Carlos remained in Bogota, and babies William and Wilber were taken back to the countryside.

To make this cross crossing clearer: Bogota identical twins Jorge (A) and William (B) were switched with Carlos (C) and Wilber (D). A and C were brought up in Bogota within a middle class family; they attended university. B and D were raised by farmers in a poor region of Colombia.

Their meeting together was very dramatic, a sort of soap opera. B (William) cried a lot when he realised that, in account of the hospital’s mistake, he had had a tough childhood, growing up hacking sugar cane, not being allowed to attend prep school and University. Becoming a butcher had been his best option. On the other hand, C (Carlos), raised in the city, had more opportunities as well as a good education; without knowing it, he had usurped B’s rights. What is more, at the time they met, B’s biological mother had already died from cancer four years ago. B never met his real mother; but, even more painful for him was the fact that the woman he had intensely loved as his mother was not his real mother.

Anyway, the story had a sort of happy ending because they recognised their similarities, and they immediately liked each other. They became a sort of unique family; the four of them decided to live together and support each other’s project of life. Latin American people tend to be very warm and affectionate.

We do not have the time of birth; we only know that the second set of twins (those from the countryside) was born one day later (Dec/22, 1988). If we cast the first chart, Dec/21, at noon, both sets of twins have the Sun in Capricorn. But if the Bogota twins were born sometime before noon, the Sun would be in Sagittarius.

According to a New York Times article, Jorge and William, real twins A & B like to joke, are more laid back, generous and enterprising (Sagittarius profile). Carlos and Wilbur, C & D, are more earthy, serious, proud and ambitious (Capricorn profile). Nonetheless, the Moon does not change, in both charts, Dec/21 and Dec/22, it is in Gemini, the sign of twins. And even if the signs of the Sun were different, which means that their temperaments are radically different, the Capricorn sign is incredibly strong in both their charts as most of the other planets are in this sign. Uranus, Saturn, Neptune and Mercury, are in Capricorn; Saturn ruling Capricorn becomes incredible strong. But there is more, regardless which sign the Sun is, Capricorn or Sagittarius, Saturn is in a close conjunction; so, the Sun is controlled by Saturn.

The incredible strong Saturnian presence in these charts talks about a tough and sad childhood; in different ways, each of the four children had a hard time of his own. For the Bogota twins, the father was mostly absent; it was their mother who supported them. As for William (B), he always felt different and out of place inside the farmer’s family.

We can be certain that each of the four twins grew with a feeling that something was wrong about them; the rest of the families, especially the mothers, must have felt the same as the difference between the other twins was radical. This combination is very tricky; adaptation is very easy for the light and smiling Moon in Gemini, but the Saturn and Capricorn powerful presence casts a heavy and dark shadow, a deep feeling of melancholy. Strict Saturn demands that everything has to be at its proper place; it is a radical sensation. Just imagine growing up with this constant feeling, or intuition, that something was wrong; it was just in front of my eyes but I could not recognise it!

But what Saturn, at the same time preserver and devourer of our childhood, splits up, Jupiter joints together. The two sets of identical twins had had their second Jupiter’s return in Taurus (12 years whole cycle), and when they met, Jupiter was transiting their Moon in Gemini.

Jupiter is the planet of synchronicity; he is the Lord of the Ties, his task is to link us to the principles that rule biological, social, moral and spiritual laws. Saturn separates in account of human mistakes (the swapping of babies in this case), historical or physical situations; but surely Saturn had a hidden agenda for each of the four twins; a higher purpose that these young men will see clearly one day. What had William (B) to learn growing up within a poor family? What did he have to learn from his foster parents? Why Carlos was allowed the opportunity to grow up in a more comfortable and educated family?

Pluto, the planet of genes and genetics, is in Scorpio in the twins’ charts; a very strong position because this is the sign Pluto rules. When they eventually met in 2013, Pluto was transiting on their planets in Capricorn (Saturn’s sign), and Saturn was transiting in Scorpio. A sort of conjoint operation was this! The movement came from the deepest layer of the twin’s souls and biological structures. A radical transformation for each of them awaits them. Thanks God they met when they were still young.

I have always been fascinated by the different ways people express the same chart. Imagine five babies born in Tokyo, same day, same hour; all will have the same chart, but each will express it in a different and unique way. The case of twins is even more fascinating, especially identical twins; they are a sort of mirror to each other, but in spite the many resemblances, they will have to find their differences in order to become unique individuals. The common tendency, when they grow up together, is to behave in an opposite way; the archetype recurs to polarisation in order to balance the situation. The cosmos is a forest of symbols; and this word, symbol, means joining together two opposite sides of the same circle.

P. D. The information about this event was taken from this links (one BBC and an article of the New York Times:

http://www.nytimes.com/2015/07/12/magazine/the-mixed-up-brothers-of-bogota.html?_r=0
http://www.bbc.com/news/world-latin-america-35220779
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by Xavier_Astro | 2016-04-01 00:00 | 占星術  

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