激しく結びつき合う二人〜ヴィヴィアン・リーとローレンス・オリヴィエ

私たちはみな、自分に相応しいパートナーを求め続けています。他の誰よりも、自分のことを理解してくれて、自分の欠けているところを埋めてくれるようなそんな存在です。ですが、運悪く、そんな’彼’や’彼女’に出会うことのできない人もいます。人生の複雑な事情や、二人の文化的背景、二人を隔てる距離、偏見、思いもよらぬアクシデント、あるいはパートナーとなり得たかもしれない人の死や、一緒にいたとしても決して合わさり得ない二人の方向性の違い、などなどが原因で、なかなか出会うことができないものなのです。



けれども、中には一緒になるべくして生まれて来たようなカップルもいます。互いに出会うことが宿命であるかのようにです。ロマンチックに聞こえますか?ですが、私たちはついついこのようなギフトには代償もつきものであることを忘れてしまいがちです。人と人の相性というのは、相手と関わろうとする時の無意識の潜在能力とも言えましょうが、これによって、共振共鳴が起こり、二人の間に最高最善の何かを生み出してゆこうとします。しかし、それと同時に、お互いの内側に潜む心の闇の部分をも活性化してゆくものなのです。たとえば、相手をサポートし賞賛する能力があるということは、同時に羨望、嫉妬、相手をコントロールし支配しようとする可能性を孕んでいるのです。誰かに深く傾倒し、巻き込まれてゆけばゆくほどに、闇の側面をも強く激しく表出させてしまう可能性があるということなのです。

20世紀における英国の偉大な俳優、ヴィヴィアン・リーローレンス・オリヴィエは、映画史及び英国劇場史においての伝説的なカップルであり、相互の精神の結びつきが顕現した見事な実例だと言えましょう。
e0182773_1523991.gifVivian Leigh
Nov 5, 1913
at 17:16
in Darjeeling, India

e0182773_15241441.gifLaurence Olivier
May 22, 1907
at 5 am
in Dorking, UK

ヴィヴィアン・リー(1913年11月5日5:16pm,インドダージリン生まれ)がローレンス・オリヴィエ(1907年5月22日5:00am,イギリスドーキング生まれ)を最初に見たのは、彼がロンドンの劇場の舞台に出演中のことでしたが、その瞬間にヴィヴィアンはこの人と結婚するんだわ!と直観したのだそうです。当時、二人とも別の人と結婚していたのですが、そんなことは問題ではありませんでした。アセンダントが牡牛座の蠍座生まれのヴィヴィアンにとっては、いったん何か決めたなら、誰も彼女を引き止めることなどできないのです。すぐにラリー(ローレンス)とヴィヴィアンは恋に落ちて、それぞれの結婚相手と子どもたちの元を離れ、のちに結婚するに至りました。

二人は20年の年月を共に過ごしました。彼らの関係性といえば、最初の数年は牧歌的、あたかも詩のように美しい日々だったのですが、やがては闇が彼らの生活に影響を及ぼすこととなり、権力争いや、嫉妬、暴力によって、二人の関係は壊れてゆくのでした。ヴィヴィアンの太陽はパートナーシップや結婚を意味するディセンダントの上にあったのですが、これによって、ヴィヴィアンは自分のエネルギーをラリーに投じていくのでした。最初の頃は、ヴィヴィアンはラリーからインスピレーションを得たり、自信を与えられたり、喚起されるのを感じていました。実際、ラリーはヴィヴィアンを引き立て、自信を持てるように導きました。こうしてもらうことは、ヴィヴィアンにとってとても大切なことで、というのはヴィヴィアンの2室(お金、人生に対する信頼、個人の所有物)にある逆行の土星によって、自分を必要以上に低く評価してしまうという傾向があったからです。2室の土星は、声に対する不安や自信のなさを引き起こす傾向もあって、牡牛座のラリーは、どのようにして発声のスキルを発展させられるか、ヴィヴィアンに手ほどきすることもしていました。

「風と共に去りぬ」で演じた主人公、スカーレット・オハラは、ヴィヴィアンのはまり役で、まさにスカーレットそのものでした。スカーレットもまた、2室に土星を持っていたに違いないと私は思うのですが、それは、物語の中でスカーレットは自身の全ての財産を失ってしまうわけですが、それでも生来の負けず嫌いな性格から、再び全てを取り戻してゆくからです。彼女の問題は、自分の人生において、真実の愛を見出すことができないという考えに囚われていたことでした。ヴィヴィアンはアメリカ人ではありませんでしたが、それにもかかわらず、自身の力の全てを用いて、ハリウッド映画界における大役を勝ち取りました。まさしくヴィヴィアンはスカーレットを演ずるために生まれて来たかのようではありませんか?それから、この物語の原作者マーガレット・ミッチェルもまた蠍座生まれでしたが、このようなことは驚くべきことでもなく、シンクロニシティというのはこうして常に起こるものなのです。

ヴィヴィアンの太陽がディセンダントの上にあることからくる問題としては、彼女自身の個性が、ローレンス・オリヴィエの魅力的なパーソナリティによって、打ち消されてしまいがちだったことでしょう。女優として、ハリウッドスタートして、ヴィヴィアンは自身の美貌とカリスマ性を観客や世界中の人々に印象づけることができたはずなのです。が、しかし、彼女は自身の存在自体に根拠を見出すことに日々葛藤し続けねばなりませんでした。彼女はラリーのことをあまりに深く愛していたし、あまりに敬服していたがゆえに、自らの居場所を見失ってしまったのでした。ヴィヴィアンの月は水瓶座で天王星と重なっており、このことは、感情的な浮き沈みの激しさを示しています。また個人の領域を超えた視点では、この占星術的配置は、普遍的女性性のカリスマという印象を人々に与えます。そして、天王星は映画を司る惑星です。日常生活の中でこのような天体の配置に折り合いを付けていくことはそうそう容易なことではなかったでしょう。(マリリン・モンローも水瓶座の月でした)

ローレンス・オリヴィエは、ヴィヴィアンのことで非常に悩み苦しみました。彼は彼女のことを心から愛していたのですが、彼女の狂気じみた言動や、嫉妬心、独占欲が、やがて苦痛となり始めたのです。激しい言い争いのあと、彼は彼女の元を去りました。このままでは互いに殺し合うところまで行ってしまうことを危惧したからです。それでも彼女は彼への愛を捨てることはせず、たとえ、他の相手と暮らすことになった時でも、ラリーの写真をベッドサイドに飾るほどでした。ヴィヴィアンは53歳の時、結核で亡くなりました。(3室の火星と海王星が呼吸器に影響を及ぼしたのでしょう)結核という病いは、深い悲しみと関係があるとされています。

ローレンス・オリヴィエの出生図から見てみましょう。ヴィヴィアンは彼自身のアニマであり、彼の精神の女性的側面の現れでした。彼の月は乙女座にあり、冥王星(蠍座の支配星)とスクエアをなしています。ヴィヴィアンを通じて、彼は自身の闇の側面である、痛みや、彼の母親の中にある無意識の独占欲や嫉妬心、あるいは彼自身の破壊的な性質を、表現したのだと言えましょう。

ラリーは12室に太陽、水星、金星の3つの天体があり、これは、カリスマ性を人々に示すのに極めて良い配置です。ローレンス・オリヴィエは勲位を与えられ、セレヴィリティの仲間入りをしており、英国の全ての時代の俳優の中でも最高位の俳優として見なされています。しかし12室は狂気や精神病院、刑務所とも関連付けられます。ヴィヴィアンこそが、ラリーの闇の側面の顕現した存在だったと言えましょう。彼女のために、ラリーは病院や精神病院に足繁く通いました。しかし、やがてヴィヴィアン・リーが人生を終え、彼の前からいなくなってしまうと、ラリーは演じねばならないという時、パニック症状に陥るようになってしまいます。彼がこの恐れに打ち勝つ唯一の方法は、他国の言葉を話す登場人物になりきりることだったのです。

ヴィヴィアンとラリーが共演した演劇の中で最高傑作と言えるのは、ロンドンで上演されたマクベスでしょう。この物語は、マクベスとマクベス夫人が、王殺害に巻き込まれ、破滅の道を辿るという、まさに冥王星的カップルを描いたものでした。ローレンス・オリヴィエは、シェイクスピアを演じ続けた20世紀における最も偉大なる俳優ですが、彼はのちにヴィヴィアン・リーの演じたマクベス夫人こそが最も素晴しかったと語りました。この二人の輝かしい俳優カップルによって演じ、表現されたこの物語の重苦しい微妙な空気感に、観客はいったいどれだけ魅了されたことだろうかと、私は想像するのです。(終)
    
原文(英語)はコチラ
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by xavier_astro | 2014-09-02 00:00 | 人物  

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