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処女王 エリザベス1世 〜女性の地位向上とアニムス (2)

彼女の子供時代の話は、多くの伝記や小説、映画などによってよく知られています。彼女は暴君ヘンリー8世の娘であり、彼は最初の妻と離婚し、エリザベスの母親であるアン・ブーリンと結婚しましたが、自分の後継者として欲しかった男児ではなく、女児を産んだので斬首刑に処しました。エリザベスのチャートには、冥王星的な質を持ったパワフルで破壊的な父親が示されています。彼女の太陽(父親)は、力の源、セックスと死の部屋である8室にあります。ヘンリー8世はアンとは非常に情熱的な関係性だったのにもかかわらず、のちに彼女を処刑しました。それは、ちょうどエリザベスの牡牛座(もう一つの情熱のサイン)の月(母親)に冥王星がスクエアになった時のことでした。

この8ハウス的な背景とエリザベスのその後の成長から、私たちは、エロス(愛の神)とタナトス(死の神)の部屋の持つ深い意味を知ることができるのです。太陽が8室にあるのなら、その人は生まれた時から、どのように生き抜くのかを学ばなくてはなりません。エリザベスは、生まれたばかりの赤子の時に、父親から拒絶され、しばらくすると母親を殺され、そして自分が非嫡出子であると公言されたわけで、生き残る手だてを学ばなくてはなりませんでした。宮廷に渦巻く陰謀や、彼女を王室から消し去りたいと願う継母たちの嫉妬心を、想像してみてください。それでもこの子は、生き抜いたのです。彼女の本能を発達させることによって、です。私たちのチャートの中でそれぞれの天体は既に、自らの可能性を表現していくのに助けとなる最適なポジションに配置されているのだと、私は繰り返し言っているのです。エリザベスが21歳の時には、捕らえられ、ロンドン塔に連れて行かれました。その時の彼女が体験したであろう恐怖を想像してみて下さい。自分の母親も同じ場所に連れて行かれ、その場を出られたのは処刑後のことだったと知っていたのです。



エリザベスは、父親の実の娘として生き抜きました。彼女は25歳で王座を継承しましたが、それは彼女の射手座の木星の2度目の回帰の時であり、戴冠したのは1559年1月15日の正午のこと、水瓶座のMCに太陽と水星がコンジャンクション、また、木星は彼女自身の木星とセクスタイルの時のことでした。載冠式のチャートは天王星のサインが強調されており、科学や芸術、政治におけるエリザベス時代の革新が見て取れます。
e0182773_94436.gif[戴冠式のチャート]


それにもかかわらず、この「妖精の女王」(詩人エドマンド・スペンサーが名付けた)の非常に暗い側面は存在し、恐ろしい父親像は彼女のチャートの中にいつもあって、在位期間中ずっと、エリザベスを捕らえて離さなかったのです。特に晩年にさしかかる頃、彼女のアニムスという形を借りて、無意識の男性的側面が彼女を醜く、専制的にしてしまったというわけです。

疑いの余地なく、彼女は並外れた知性あふれる女性でした。彼女の天秤座の水星(乙女座の支配星)はチャートの中の最も高いところにある天体であり、火星(彼女のMCを支配)は双子坐(これも水星の支配下にある)で、水星とトライン(120°)を結んでいます。彼女はラテン語、ギリシャ語を含む5ヶ国語を流暢に話し、科学や天文学にも造詣が深かったと言われています。しかし、反論されることに我慢が出来なかったのです。彼女の牡牛座の月は、男性を魅了し、非常に強いセックスアピールがありました(8室太陽)。男性との戯れごとは好きでしたが、決して結婚しようとしませんでした。こよなく愛したレスター伯ロバート・ダドリーやですら、受け容れることなく、全ての求婚者を退けたのです。それはただ単に、政治的理由で、あるいは自分の権力を危うくするような事態を恐れたから、というだけの理由なのでしょうか?
e0182773_9515094.gif[エリザベス1世の出生図]


土星が7室で天王星とコンジャンクションしており、さらに冥王星とオポジションです。これは彼女自身のパートナーとの関わり方の複雑さを示しています。両親の恋愛事情の破滅的な物語は、そこに刷り込まれていると言えるでしょう(蟹座)。斬首刑に処された母親の怒れるアニムスは、彼女に復讐をさせ、人々を処刑することを強いたのでしょうか?女性のアニムスに関連する火星は、頭を象徴します。ユング的見地から言えば、アニムスに囚われた女性は男性の頭を切り落としたがるのです。去勢の象徴といえましょう。

それで、統治期間中、エリザベスは、たくさんの頭を切り落とせねばなりませんでした。その中には、お気に入りで彼女より30歳年下のエセックス伯爵のような、自分が愛した者も多くいたのです。彼女の専制政治や心理的トラウマが示すのは、彼女が自分の知性を人々の首を切るという行為を隠喩的に使ったということです。決して彼らを正しいとせず、最終決定権は常に自分が持ちたがったのです。

エリザベスの物語におけるこの側面は悲しいものです。男性支配的な文化に向き合うためには、彼女は愛を放棄しなくてはならず、自身の女性としての可能性を否定し、それを政治的イメージで覆い隠して、民衆の集合的無意識に与えなくてはならなかったからです。美しい処女は、石化した仮面を身につけた姿(山羊座アセンダント)と化してしまったのです。彼女が化粧で使用していた鉛と水銀が、彼女の顔を毒してしまい、メイドは彼女の顔の腐ってしまった皮膚を隠すために、メイクアップを8層にも重ねる必要がありました。

自分自身をアニムスの無意識的な傾向から守るために、活発で力を持った現代の女性たちは、この偉大なパーソナリティーから学ぶことが数多くあるのです。(了)

原文(英語)はコチラ....
処女王 エリザベス1世 〜女性の地位向上とアニムス (1)

by xavier_astro | 2010-10-16 00:00 | 占星術  

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