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金星とロケット、愛と関係性 (2)

さて、以上は、あかつき打上げのイベントチャートに際しての1つめの観点でした。
2つめの観点は、あかつき打上げが日本に与える影響についてですが、このイベントチャートと日本という国のチャートとを関連付けて見ていきましょう。ここでは明治憲法(大日本帝国憲法)公布日のチャート(1889年2月11日正午頃、東京)を使用します。日本国のデータはいくつかあると思いますが、個人的にはこれが最も正確で、事柄を露にするものだと思います。

驚くことではないかも知れませんが、イベントチャートの金星が、日本の双子座にある月とほぼコンジャンクションになっていて、月のサイン(双子座)にある金星の、愛、科学、明確さ、そして優美さが、この国に生まれた人々(月)に注がれています。金星は、日本が今迎えているこの困難なトランジットを調和させようとしています。トランジットの土星は、日本の月とスクエアで、魚座にある火星とはオポジションでとなっていますが、これは非常に厳しいトランジットで、人生の困難に立ち向かわねばならない時のある種、世間全体の抑うつ状態とも言えるでしょう。



実際、金星へのロケットのイベントチャートは、日本のこの瞬間のトランジットを示しています。トランジットの山羊座冥王星は、日本のチャートの木星の上にあり、トランジットの木星は探査機あかつき打上げのその時、ミッドヘブンにあって、日本のチャートの火星にコンジャンクトしています。このトランジットには、ある種の社会的、そして霊的(精神的)な信念(固定観念)の変容と浄化という暗示があります。これらのアスペクトの木星的な特性としては、名声を得るために(山羊座の木星)、科学的な知識を発展させる傾向を示していると言えます。そして日本の科学者たちは、稲妻や、火山活動、そしてエネルギーが、どのように金星の地殻構造や大気に影響するかに興味を抱いています。

日本のチャートの牡羊座の金星は、 社会を示す11室にあって、日本文化の美学的価値や、その特有な美への探究を、社会に伝えています。それはまた、明治時代から徐々に始まり、第二次世界大戦(牡羊座)以降、活発化してきた、この国の発展における女性の果たす役割を表しています。またそれと反対に、魚座の火星は、日本の男性のその傷つきやすい側面を、露にしています。

日本の木星の上にあるトランジットの山羊座の冥王星は、政治や司法運営、憲法や法律などの根本的な変化を示唆しています。このアスペクトや、両チャートの明らかな女性性の優位さを考えると、政権の一番高い地位を女性が獲得する日が、いつの日か来るかもしれません。そういえば、古代日本の伝承で伝えられる太陽神は女神でしたね。

多くの文化的なパターン、特に関係性に関することもまた見直されていくことになると思います。ヴィーナスはローマ神話の庭園、美、そして愛の女神ですが、ローマの伝統や法律は非常に保守的なもでした。ギリシャ神話においてはアフロディーテとされ、愛の性質のより深い側面を集合無意識的な視点から明らかにします。

プラトンは著作である対話編『餐宴』(恋愛関係と友情関係についての対話)の中で、2種類のアフロディーテがいると言っています。(金星が夜明けと日没を告げる明けの明星、宵の明星と言われるからでしょうか)アフロディーテ・パンデモス(世俗の愛)とアフロディーテ・ウラニア(天上の愛)です。これは占星術における金星の2つの支配星座に一致します。地のサインの牡牛座と、風のサインの天秤座です。地の要素が強調するものは、愛の官能的な側面で、それとは対照的に、風のサインである天秤座の知性が示すものは愛の理想的な姿です。

古代ギリシャでは、パン(pan)は'全て'、デモス(demos)は'人々'を意味したので、アフロディーテ・パンデモスは、万民のための女神と言うことであり、言わば庶民の女神で、皆のための愛と言えます。プラトン主義の用語では、これは低俗な愛(ラテン語では皆を意味する)であり、肉体的でそして洗練されていないものです。一方で、アフロディーテ・ウラニアは私たちが自分の衝動を昇華させることで初めて獲得できる理想的な愛を表しています。これはもちろん人類史から見れば最近のキリスト教によってもたらされた、欲望の抑圧というようなものではありません。

ヴィーナス・ウラニア(天上の愛)は、私たちが人との関係性に懸命に取り組んでいる時に、愛に対する積極的な学びの方法を提示してくれます。そして、自分自身のアイデンティティーと、自分が所有したいと思う人を区別することを学んだ時、私たちは恋愛関係においても友情においても、どんな他の形の関係性をも築いて行くことが出来るようになるのです。牡牛座も天秤座も両方とも建設的なサインで、牡牛座は具体的なやり方で、天秤座は対話と理解を通じてそれを行います。プラトンの確かな出生図は知る由もありませんが、私は彼は天秤座に違いないだろうと思っています。何故なら、彼は自分の著作の全てを対話形式で書き、愛や理想そして完全性への道についての完全な哲学を実際に構築したからです。プラトンが「アーキタイプ(原型)」という概念を生み出したのです。

ヴィーナス・パンデモス(世俗の愛)とヴィーナス・ウラニア(天上の愛)のどちらかを選ぶということではなく、個々人の健全な発達には、この両方の側面が含まれるということです。確かに、出世図の中には時に、一方向へと向かう特定の傾向を見つけることができます。通常は風や火の理想主義的な金星と比べると、地や水の金星はより官能に傾きがちです。しかしそれは、その人の出生図の他の様々な側面にもよるものです。実際的なことを言えば、私たちは自分の金星の表現をバランスするために、正反対の傾向を発達させなくてはなりません。もし理想主義的な側面にいるのなら、実際の恋愛においてより物質的で具体的な表現が必要となるわけです。もし情熱的で官能的過ぎるならば、対話と理解を通して、どうしたら、より客観的になれるかを学ぶ必要があります。

日本のチャートの金星に関して言えば、ヴィーナス・ウラニア(天上の愛)的傾向が強いでしょう。と言うのも太陽は水瓶座、月は双子座(風のサイン)、金星自体は火のサインで水瓶座の部屋にあるからです。ですから、あかつき探査機のイベントチャートにおいて表現される、今日本が迎えているトランジットは、つながりや結びつき、関係性、愛の理想像、あるいは他の国々や文化に対するこれまでとは違う受入れ方、といった領域におけるパターンの変化を告げているのです。 (終)


明治憲法公布日のイベントチャート(1889年2月11日正午頃、東京)
※あかつき打上げ時のトランジット(2010年5月21日/円の外側の緑色の天体)
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原文(英語)はコチラ...
金星とロケット、愛と関係性 (1)はコチラ...

by xavier_astro | 2010-07-16 00:00 | 占星術  

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