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オズの魔法使い その2

ですが、この昔から用いられてきた解釈は、この物語の冒険の面白さと、奇抜で愛らしい登場人物たちをすべて説明するには、「オズの魔法使い」の現代の観客やファンにとっては、薄っぺらで退屈なものに思えてしまいます。
このフランク・ボームの風刺的なたとえ話は、もはやその当時の政治的意味合いを越えて、今や自己認識の冒険物語になり、そしてまた大人への成長を描いた普遍的な寓話と言うにふさわしいものになっています。
このような普遍的な神話として地位を得る近代の物語はそうはありません。

1939年のミュージカル版は、演出家、脚本家、音楽家そして芸術家らが大きなチームを組み、アイディアを出し合ってつくられ、「オズの魔法使い」の「新規準」を打ち立てました。
現代の観客の中で、この話に風刺的な意味を持たせた当時の歴史的背景を知る人が少なくなればなるほど、この演劇はより比喩的に開かれたものとなり、そのことによって集合無意識的なより多様な解釈が可能となるのです。

そのうちの一つとしては、ゲイ(同性愛者)的な解釈があります。
アメ リカのゲイのコミュニティは、またこの映画の中に多くの彼ら自身の象徴を見出 して来ました。そしてレインボー(虹)はゲイ・ムーブメントの旗として使わ れ、テーマ曲である「虹の彼方に」と、そのシンガー(歌い手)であり、この映画 の主役であるジュディー・ガーランドは、ゲイのアイコン(象徴)として使われる ようになったのです。

原文(英語)はコチラ

by xavier_astro | 2009-06-26 00:00 | 映画  

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