スティーブ・ジョブズ、世紀のアイコン(象徴)(1)

彼が天才であった所以は、詩的ともいえる芸術性とテクノロジーをつなげた手腕だった、と最近出たスティーブ・ジョブズの伝記作家ウォルター・アイザックソンは言っています。確かにこの言葉はアップル社共同創設者の本質を説明しているだけでなく、人類が今まさに突入しようとしている新しい時代の先駆者たちにも言えることです。ジョブズは一つの時代全体の特質を具現化させた人物の内の一人だと言えましょう。あるいは、集合的無意識が、新しい考え方を表現するための道筋を開き、そして新しいイメージを創り出し、集合的なアーキタイプに衝動を与えるために、どういうわけか、この種の人々を選び出したのだということもできましょうか。

参考)「スティーブ・ジョブズ」(ウォルター・アイザックソン著 講談社刊)



産業革命の夜明けは、テクノロジーと機械が、動力装置に頼った新しい生き方を強要した時に起き、それは即ち、日常生活から美しさを切り離していくという方向性を示していました。大量生産においては効率性がその目標となり、エレガントで美しい機械は贅沢品となりました。もしイカした機械が欲しかったら、支払えるだけの余裕が必要でした。もちろん、秀逸なデザインで買い手を惹き付ける必要性は、常にありました。タイプライターから冷蔵庫、電車や車に至るまで、売り手側は、見た目のいいものを提供するために奮闘して来たのです。しかしながら総じて、その結末は美しくない、時には醜いとさえいえるような代物でした。工業生産物から出る多量の廃棄物のことを考えてください。

スティーブ・ジョブズは、サイバネティック(人工頭脳的な情報処理)な新しい時代においては、コンピュータとメモリ(記憶装置)が個人に独占的に使用されるものとなりうることを理解していたのです。それ故、これらの装置は美しくある必要がありました。それはコンピュータというものが、私たちみなそれぞれに特有の関わり方を持つ極めて個人的な所有物となることが必至だったからです。ジョブズは1955年2月24日午後7時15分、カリフォルニア州サンフランシスコで生まれました。彼の出生図は、蟹座の10室で木星と天王星がコンジャンクションしていて、それが金星とオポジション、海王星とはスクエアをなしています。このTスクエアは、彼が新しいテクノロジーの発展と、人類のアイコン(象徴)という、彼が演じなくてはならなかったその役割りを説明しています。

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Steve Jobs
1955/2/24
19:15pm
San Francisco, CA


10室はゴールや目標達成、成功と責任感の部屋であり、ホロスコープ上の10室の場所は、土星が支配星となっています。私たちが実際にする、しないにかかわらず、すべてのことが社会に公示される場所なのです。もし一生懸命働き、自分の責任を理解し、受け入れているのであれば、私たちは目標を達成し、ある種の社会的評価を獲得することでしょう。しかし、もし失敗した場合には、厳しく批判され、軽蔑さえされてしまうでしょう。ジョブズがゴールを征服したことで、彼は成功の模範となったのです。彼が完璧な最高経営責任者のイメージを具現化させた人物であることは、誰もが同意することでしょう。彼は、カリスマ、創造性、そしてチャレンジに立ち向かって行く積極性、といった起業家の持つべき資質を兼ね備えていたからです。

要約すると、10室というのは、私たちがこの生命を終える時に人々へ与える印象(痕跡)を示していて、その人が生きている間だけではなく、その死後においても、その人を特徴づける行い、活動を物語る場所なのです。この部屋は、私たちのパフォーマンスはこうであろうと、人々が考えることを知らせているのです。ジョブズは今日ではハイテクノロジーの会社経営者だとおり、彼の崇拝者の中には、彼を今世紀のヘンリー・フォードトーマス・エジソンとして名を残すだろうとまで言う人もいます。

ジョブズのチャートにおいて、ハイテクというテーマは10室天王星の自然な表現であり、天王星は、とりわけ新しいものの考え方や、人類にとっての新たな生き方を生み出すことができるような新しいテクノロジーと関係しています。この天王星と、拡張と発展の惑星である木星とのコンジャンクションによって、ジョブズの製品は、創造性のツールへと変容することになったのです。無数の人々が、共同、個人の領域において、iPodから刺激を受け続けているのです。新しいMacを手に入れた人は誰でも、自分の創造性の新たな扉が開くのを感じるのです。ですから、ジョブズのその非凡さ天才さは、詩(木星)とテクノロジー(天王星/テクノロジーが革新的である限りにおいて)をつなげたところにある、という言葉は、このコンジャンクションを正確に説明しています。

ジョブズのチャートの中で、この木星・天王星のコンジャンクションが起きている蟹座のサインは、人々の日常生活の個人的な領域に衝撃を引き起こした彼のその能力を示しています。iPodiPadというアップルの製品は、今や私たちの生活の一部となりました。ジョブズのその天才さが、ハイテクと個人の生活との間に橋を掛け、最新のハイテク機器の冷たさを暖かで馴染みやすい物へと変えたのです。ある人にとっては、iPodやiPadがテディベアになっているのかもしれません。

ジョブズの非凡さのまた別の側面は、他の天才たちの可能性を引き出す能力です。ジョナサン・アイブが、iPhoneなどの最近の殆どのアップル製品の実質的なデザイナーであることは、よく知られていますが、それらの製品の持つ独自の特性を理解したのも、ジョブズ、彼だったからできたことなのです。私の個人的な見識として、天才には2つの主なタイプがあると思います。一つは新しいものを発明するタイプ、もう一つは物事の可能性や本質を理解するタイプです。アイブは前者であり、後者がジョブズでした。

アイブの出生データはウィキペディアにも出ていなくて不明ですが、彼が1967年2月の生まれだということは分かっています。水瓶座か魚座のどちらかですが、もし仮に彼が水瓶座とするならば、これは天王星(水瓶座の支配星)と木星(魚座の共支配惑星)のコンジャンクションのまた別の表現と言えるでしょう。いずれにしても、アイブとジョブズは互いに補完し合っていました。(両者共が魚座であった場合にも同じことが言えます)。これからもアイブの名前を聞けば、いつだってジョブズの名前を思い出すこととなりましょう。

アイブとジョブズの二人は、現行のテクノロジーの可能性を新しいコンセプトの製品にどう発展させていくかを発見していきました。MP3は既に存在していましたが、ジョブズが新しいプレゼンテーション、新しいパッケージ、そして明快で簡単に使える方法でもって、製品展開を行うまでは、それほど世間に知られてはいなかったのです。 今日ではMacやiPhoneなしの生活など考えられない人たちもいますし、私もiPodなしの生活など想像できません。私の音楽やビデオ、写真やポッドキャスト、オーディオブックなど、iPodなくしていったい何処に入れておけると言うのでしょうか?iPodなら、こんな小さな箱の中に入れて世界中に持ち運ぶことができるんです。(続く)

スティーブ・ジョブズ I

ウォルター・アイザックソン / 講談社


スティーブ・ジョブズ II

ウォルター・アイザックソン / 講談社


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by xavier_astro | 2011-12-02 00:00 | 人物  

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