占星術にまつわるお話〜迷信とシンクロニシティ(1)

年明けは、地球を取り巻く星座の位置がシフトしたことで、占星術のシステムにズレが生じ、12星座のサインがもはや合致しなくなってしまったという、マスコミのおかしな報道とともに始まりました。さらに酷いことには、新しい星座が加わったというのです。この情報によるならば、私たちの星座のサインは、自分がこれまでずっとそうだと思っていたものとは違うということになってしまいます。

私がおよそ27年前に占星術を真剣に学び始めてからこのかた、この種の話を幾度となく周期的に耳にしてきましたが、その噂はいつしか消え去り、誰もがまた、それまでの自分の星座に満足することとなるのです。




しかしながら、このような占星術を軽視するような行為に対して、私は多少の苛立ちを禁じ得ません。腹立たしく思うのは、私が敬意を払う叡智と美という知識体系とシンボルのシステムへの攻撃に対してではありません。私は人々が占星術を信じようが信じまいがその自由を尊重します。私自身、かつては占星術をただの迷信だと考えていました。もちろんそれは、その真の原理を発見し、学ぶ以前のことです。
占星術は伝統科学であり、2000年もの間、そのシステムを守り通して来たのです。皇帝や暴君、キリスト教会からの迫害、あるいは近代の合理主義や懐疑主義の中を生き延びて来ました。私が腹立たしく思うのは、この浅はかな反対運動を背後で操るジャーナリストや、えせ科学者たちの無知と倫理観の無さなのです。

いわゆる科学的データを根拠に占星術を侮蔑する輩は次の内のどちらかでしょう。
その問いに対して十分に検証をしないで非難している無責任な者か、あるいは検証をした上で故意に人々に嘘を教えようとする非倫理的な者かです。
占星術が間違っているとする理由とその要点となるのが、分点歳差運動で、この運動は、通常の星座の移り変わりとは逆方向に時代の変化を引き起こす地球の特別な動きです。時代は魚座から水瓶座の時代へと移行しつつある、などと言われるのは、この運動によるものです。

地球の天文学的法則を持つ動きの中には、自転公転以外にもいくつかありますが、占星術を学ぶ上で特に重要なのが、歳差運動です。この動きによって、牡羊座の0°とした黄道12星座の春分点は、少しずつズレていき、春分点が再び牡羊座の0°に戻ってくるまでには、およそ26000年かかるとされます。それがどういう仕組みになっているのか、そしてなによりもそれがいったい何を意味しているのかを、解りやすく説明してみることにしましょう。

占星術では常にその動きとその意味合いを考慮してきました。最初の歴史的な根拠は、春分点歳差という事実を推測したサモスの天文学者アリスタルコスによって説かれました。地球が太陽の周りを回るとする太陽中心説を最初に唱えたのです。彼はピタゴラス派の賢者と交流がありました。しかし、他にも多くの春分点歳差を示唆する古代遺跡が存在しています。多くの者が太陽中心説を否定していたにしても、古代の天文学者と占星術師たちは、春分点が牡羊座の0°に戻って来る「大いなる年」(※)を知っていたのです。

 ※(訳者註)
 Great Year/大いなる年/プラトン年 (Platonic Year) 
 春分点が黄道を1周する25800年の時間のこと。
 Great Year
 プラトン年
 weblio辞書の訳 春分点歳差の全サイクルの所要時間、約2万5800年

占星術を学ぼうとするものが、まず最初に肝に銘じておくべきことは、月の動き以外はすべて見かけ上の動きであるということです。まるで星々や太陽、惑星の全てが地球の周りを回っているように見えるわけですが、実際は違います。これは地球を動かないものとみなしているところから来ています。占星術師たちは観察者の視点によって、占星術のシステムを構築しました。これがトロピカル・ゾディアック(太陽の見かけ上の動き、トロポ=回転)と呼ばれるもので、私たちが使っているシステムは地球中心であり太陽中心ではないのです。しかしながら、この見せかけの動きこそが、天からの人間へのメッセージなのではないでしょうか。

 ※(参考)
 トロピカル方式について サイン(占星術)
 地球中心説 ⇒ 天動説
 太陽中心説 ⇒ 地動説

古代の霊的指導者たちは、これらの私たちをとりまく宇宙の動きのすべては、人類へのメッセージを伝えているのだということを知っていました。ですから、例えば木星は12年かけて地球の周りを一周すると言った時に、物理的には違っているわけですが、そこには何かしらの意味があるのです。それこそが私たちが理解しなくてはならないメッセージなのです。

もっと分かりやすく言えば、人類の誕生以来、人々は私たち自身のサイクルと太陽、月、そして他の惑星や星のサイクルとを関係づけることを学んできました。例えば、月のサイクルと女性や植物、動物たちの生殖サイクルが一致すること、すなわち雨、川、湖、海などの水の動きと一致することを知ったのです。私たちは確かに現代のものの考え方で頭では理解していることですが、原始あるいは古代の人々にとっては、現実はあるがままに、全てのものは全てのものとつながっていると知っていたのです。
現代の私たちであれば、これを深い洞察(ユング的見解)だと呼ぶでしょうが、太古の彼らにとってそれは啓示であり、この世界は、天空のリズムの下に生命の脈が息づくように、神々によって創られたのだと考えていました。人はこの宇宙の配置をどのように読み解くかを学ばなくてはならなかったのです。

司祭や賢者、そして芸術家たちはこの基本法則に基づく宇宙の一貫性について知っていました。その内の一つが「天上にあるがごときに、地にもあり」、つまり、天空に起こっていることは、地球にも起こっているということです。太陽の炎のリズムは心臓の鼓動と一致しており、そして太陽光の流れは、血流と一致しているのです。にもかかわらず、特に社会がより複雑化し、権力主義、実益主義的になってきてからというもの、人々は自らと惑星との関わりを、影響を及ぼすものという視点で捉えるようになってしまったのです。

近代における占星術に対する誤った認識と偏見の主な理由は、まさに、惑星が人間の運命に及ぼす「影響」についての見解です。承知のように、基礎科学では、現象を原因と結果ととらえ説明しますが、ヴィクトリア朝時代の科学者には、惑星が私たち人間に影響を及ぼしているか否かを証明する術などなく、占星術は無用の長物であり迷信であると断定し、皆がまた、そう信じるしかなかったのです。確かに彼らは正しく、惑星は私たちに影響を与えることはありません。惑星はただ私たちの肉体や精神がどのように働いているかを示しているだけなのです。このことが、私がいつも生徒たちに対して、私たちは原因と結果からなるシステムを扱っているのではないと、強く主張している理由なのです。私たちはシンクロニシティ(共時性)と関わっているのです。エネルギーや機能が同時発生的に働いているのであり、私たちは天空の見かけ上の動きと同じリズムで共振共鳴しているのです。(続く)

参考(訳者註):
 鏡リュウジさんの記事
 (鏡リュウジさんも同じトピックについてコメントされてますのでご参考まで)
 西洋占星術
 水瓶座の時代

原文(英語)はコチラ

占星術にまつわるお話〜迷信とシンクロニシティ(2)
[PR]

by xavier_astro | 2011-03-02 00:00 | 占星術  

<< ASTROLOGY, SUPE... ASTROLOGY, SUPE... >>