「第二の性」社会的パワーを持つ女性〜シモーヌ・ド・ボーヴォワール(1)

私たちは、女性の地位向上という視点からアニムスについて探求を続けているわけですが、今回は、現代における例を紹介したいと思います。極めてシリアスなフランスの作家、シモーヌ・ド・ボーヴォワール(1908-1986)の思想と人生は、私たちの探求の助けになることでしょう。彼女の代表作「第二の性」(1949)が昨年、新英訳で出版されたのですが、それを読んだ時に私はそう確信したのです。

ある論評によれば(例えばブリタニカ百科事典)、1953年に出された英訳はあまり正確なものではなく、彼女の使用した多くの哲学用語は、妥当な英語に翻訳されていませんでした。私は彼女のエッセイと小説を大学の時、フランス語で学びましたが、この「第二の性」は、フェミニズムや女性学を現代風に発展させた強い影響力のある作品として、外国でもよく知られているのだろうと、当然のことのように思っていました。



私の個人的印象としては、今日ではシモーヌ・ド・ボーヴォワールはフランスにおける現代文学史及び思想史の一部ではあるけれど、彼女に対するイメージは今となってはそれほど強いものではありません。殆どのフランス人女性が、「第二の性」が書かれた当時よりも、経済的にも知的にもずっと良い地位を獲得してきていますし、一般的なフランス人にとっては、ボーヴォワールという人物そのものと、彼女が哲学者ジャン・ポール・サルトルの長年の伴侶であったという事実とを分けて考えることは非常に難しいことでもあるからです。ボーヴォワールはむしろイギリス、アメリカなど海外諸国での評価が高く、伝説的な人物として扱われるほどです。このことは、冥王星の山羊座へのトランジットや、そして土星や木星、天王星といった他の惑星が活動宮を活性化していることを考えれば、なんら驚くようなことではありません。ボーヴォワール自身、山羊座ですし、私の持論ですが、たとえその人物が亡くなった後であれ、地球が太陽の周りを周り続けている限り、天体のトランジットはその人物の出生図を活性化し続けているからです。それゆえ、今後10年ほどの間は、彼女のことを耳にしたり、彼女の作品を目にする機会が増えることと思います。

日本語の翻訳が、フランス語からダイレクトに正確になされたものであることを願っています。どのみち「第二の性」の新英訳によって引き起こされる旋風によって、女性としてこの世界に生きる意味について書かれた、この重要な文献の秘められた可能性を、日本の編集者たちも改めて見出していくということになりましょう。

シモーヌ・ド・ボーヴォワールは1908年1月9日午前4時にパリで生まれました。アセンダントは蠍座、太陽は山羊座で水星と天王星とコンジャンクションしています。彼女は裕福な知識階級の出ですが、家族は第一次大戦後にその社会的地位を失いました。父親イメージと家族のバックグラウンドを表す4室は魚座で、土星に火星と月がコンジャンクションしています。魚座にあるこれら3つの天体は、ボーヴォワールが最初の自叙伝「娘時代」(1958年)の中に描いた彼女の少女時代をよく物語っています。安心できるけれども厳しい家庭でしたし、父親は弁護士で、母親は非常に伝統的な家柄の出でした。ボーヴォワールはカトリック系の女学校で教育を受け、良妻賢母たるための訓練を受けたのでした。

しかしながら、ボーヴォワールは自分が受けてきた教育対して極端に反抗的になり、決して結婚はせず、子供も持とうとはしませんでした。結婚を中産階級の、女性を不当に扱うよう仕組むための非道徳的な制度であるとして、断固として拒絶したのです。彼女は妊娠中絶法制化の擁護者であったため、「第二の性」はバチカンの禁書目録に載っています。この伝統的なパターンを破るという傾向は、彼女のチャートの中にある自由と革新の星である天王星が、特別な位置にあることから来ています。

天王星が太陽とコンジャンクションしているので、従来の権威からの制約に対して反抗的な態度を取ることとなったのです。太陽天王星の合から来る、一個人として認知されること、が彼女の重要課題であり、コミュニケーションと知性の天体である水星は、書くことによって(水星の要素を)表現することができ、山羊座の性質がそこに構造を与えています。彼女の著述は常に深刻で厳格であり、これは個人的な見解ですが、少し度が過ぎるかもしれません。彼女の小説の中の登場人物は、あまりに思考分析し過ぎるので、自然で自由な感じを損ねてしまっているからです。ボーヴォワールはソルボンヌ(パリ大学)を非常に若くして卒業しました。彼女の専攻は哲学であり(彼女の論文はライプニッツについてでした)、数学の達人でもありました。彼女は知識人の間ではカスター(フランス語でビーバーの意味)と呼ばれていました。この愛称は彼女の性格を非常によく表しています。たとえば、水星的な熱心で勤勉なところや、ものごとを体系づけられる資質や、自分の考えを維持し守る方法を築くのに重きを置くところなどです。

しかも、蠍座のアセンダントによって天王星の性質はさらに強調されています。変容を表す蠍座が支配星の天王星はさらに強められて高揚し、最大限の可能性を引き出されることでしょう。今やボーヴォワールは、その著作や教えや生活スタイルによって、聡明な現代女性の持つ共通の(天王星的な)傾向を象徴化する、あるいはもっと言えば、化身化した存在となったと言ってもいいのかもしれません。このようにして、彼女の蠍座的な性格(アセンダント)は、性と権力の改革に関係しているのです。

彼女の出生図の中の最も際立った要素は、3室の水瓶座の金星です。天王星が本来の場所である水星の室(2室)にあることで、金星が、愛と関係性という女性性のアーキタイプと、そして女性本来の価値を、革新的なやり方(水瓶座)で、著述と通信(3室)という手段を用いて表現することを助けています。彼女は殆ど微笑んだり笑ったりすることが無かったので、初めて彼女に会った人はちょっと驚いたことでしょう。身近な小さな集まりや、親しい友人との間以外で彼女が笑うことはなかったのですが、これは彼女のような物事をとても深刻(真面目)に受け取る山羊座によくあることです。(続く)

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シモーヌ・ド・ボーヴォワール
1908年1月9日午前4時
パリ生まれ


原文(英語)はコチラ

「第二の性」社会的パワーを持つ女性〜シモーヌ・ド・ボーヴォワール(2)へ続く

娘時代―ある女の回想 (1961年)

シモーヌ・ド・ボーヴォワール / 紀伊国屋書店



「娘時代―ある女の回想」の原書

Memoirs of a Dutiful Daughter (Perennial Classics)

Simone De Beauvoir / Harper Perennial Modern Classics


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by xavier_astro | 2010-12-02 00:00 | 人物  

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