処女王 エリザベス1世 〜女性の地位向上とアニムス (1)

近代社会においては、ますます多くの女性が、権力を持ち、責任のある高い地位を占めるようになって来ているので、このことがどのようにして起こり、また、集合無意識レベルで、あるいは、個人の無意識領域に、いったいどんな意味があるのかを理解することが、重要になってきています。そこで、占星術及び錬金術のシンボリズムにおけるユング的見解から、このテーマを掘り下げている論説をいくつか、読者の皆さんに、ご紹介したいと思っています。

世界を見てみると、国家を治めたり、あるいは政治的、社会的、または文化的機関や、民間企業、国際商取引などを主導している女性を挙げていくと、その数はかなり膨大なものになるでしょう。政治の世界から少し例を挙げるとすると、アメリカ国務長官のヒラリー・クリントン、オーストラリアの首相ジュリア・ギラード、ドイツの首相アンゲラ・メルケル、チリの前大統領ミシェル・バチェレ、そして有名なコンドリーザ・ライス(米前国務長官)、サラ・ペイリン(米政治家/副大統領候補)などです。



もちろん、イラン女性のアシュティアニさんのように、姦通罪で石打ちによる死刑を宣告されるという、野蛮でおぞましい、とんでもないケースも耳にしますが、にもかかわらず、殆どの文明化した国々においては、女性はその確固たる地位を確立してきているのです。これは新しい現象といえるでしょう、大昔の家母長制を除けば、これまで過去に、傑出した女性統治者は殆ど出て来ていないのです。とすると、このプロセスには、どんなアーキタイプが関係していて、また現代女性の精神にどのような影響があるのでしょうか?

クイーンエリザベス1世は、私たちのこの今の時代と同じような、歴史的騒乱の時期にあって、権力の座にありつつ、知的かつ勇敢な女性として、際立った例として挙げられる人物でしょう。彼女の両親や、生い立ち、その権力への近づき方、彼女の人生そのものが、彼女の魂のドラマを彩っています。

エリザベス女王はイングランドを、1558年から1603年の45年もの間、その聡明さと厳格さをもって統治しました。彼女は女は男よりも下とみなす全くの男性優位の文化と対峙しなくてはならず、そんな男たち、兵士や政治家が自分を尊敬するように、しっかりと手中に治めなくてはならなかったのです。そのため彼女は、ヨーロッパ ルネッサンス期の知識人たちを出し抜くだけの知的な技量を発達させる必要がありました。彼女の王国は、多くの詩人や作家、科学者や芸術家などが活躍したエリザベス時代として知られています。ウイリアム・シェイクスピアもその中にいました。

エリザベスは1533年9月7日にロンドンに近いグリニッジ宮殿で、午後3時頃(2:54pm)に生まれました。乙女座で、生涯結婚することはなかったので、「処女王」の名で知られています。その人の地位が高ければ高いほど、その時代の文化背景に及ぶ影響は強くなり、社会におけるアーキタイプの現れ方やその衝撃度は、より鮮明なものとなることは、よく分かりますよね。エリザベスは彼女自身のサインの持つ、全ての質を実際に体現した人物と言えましょう。エリザベスは、統合と秩序と効率性の象徴として国民の目に映ったことでしょう。彼女が実権を握った時分、国は、その間違った政策と宗教的な闘争によって負債を抱え、困窮していましたが、ほんの数年の間にエリザベスは国家を修復したのでした。それは有能な助言者たちに助けられたといえども、常に自分の判断基準に従うことで成し遂げたのです。イングランド内外の聖職者や、外交官、求婚者たちは、彼女をきわめて有能で知的な女性であると見なし、対立していたローマ教皇でさえ、彼女の統治に感服するほどでした。

山羊座アセンダント、牡牛座の月そして乙女座の太陽と、この女王は非常に実務的な人で、金銭や予算には非常に倹約的でしたが、彼女の実際のイメージに関して言えば浪費家であり、有名なアーティストのデザインした非常に高価なドレスや宝飾品を身につけていました。誰かが彼女を初めて見た時に、あるいは群集が遠くから彼女の姿をチラッと垣間見た時に、彼女の醸し出す佇まいのその衝撃を想像してみてください。堂々として、赤い髪に真珠による光の輪で輝いていて、公の儀式や国会議員の祝典の間、微動だにせず、まさに祭壇の聖母マリアが出現したかのように群衆の目には映ったことでしょう。

ニコラス・ヒリアードなどの有名な画家たちは、エリザベスを狩猟の女神ダイアナのように描いていますが、むしろ彼女は貞淑で純粋であり、乙女座の神話の大元である処女アステリア(星座/星の女)のようです。あるいは、戦乱の時代に、白い甲冑を身に着けて、それはまるで乙女座のもうひとつの神話、知恵と戦いの女神アテナ神のようでもあります。(続く)

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【訂正とお詫び】当初載せていたチャートに誤りがありましたので、正しいものに差し替えました。
申し訳ありませんでした。


クイーンエリザベス1世

原文(英語)はコチラ....
処女王 エリザベス1世 〜女性の地位向上とアニムス (2) へ続く
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by xavier_astro | 2010-10-02 00:00 | 人物  

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