永遠の子供=ピーターパンに救いはあるのか?

どうしたら「ピーターパン症候群」は癒されるのでしょうか?この症候群に陥ってしまった男性は、2つの可能性しか残されていないのでしょうか?未成熟で無責任なピーターパンのままその残りの人生を終えるか、それとも、悲しみと怒りや憎しみを抱えた老人となるか、です。

答えは、言うまでもなく、永遠の子供(=ピーターパン)にも救いは存在する、ということです。宮崎駿監督作品「ハウルの動く城」は、このピーターパン症候群に対する救いの手がかりを描くパーフェクトな例としてあげられるでしょう。(註:次の連載で掘り下げます)

この捉えどころの無いコンプレックスを持つ男性を救うことができるのは、女性の愛の力と勇気によってなのです。ピーターパンは子供のままで在り続けてしまうので、助けが必要です。映画の中ではソフィーがハウルのために戦い、彼が自分の傷ついたハートを取り戻せるように後押ししますが、それを為せるのは、強くて、情熱があり、寛容な女性でなくてはなりません。

この説明は簡単で比較的分かりやすりように聞こえますが、あるピーターパンは救われ、また別のピーターパンは救われない、そのわけは一体どこにあるのでしょうか?
女性がピーターパンと関わるときの危険性として言えるのは、母親になってしまうか、あるいは犠牲者に陥ってしまう、ということです。では、女性は一体どのタイミングで、彼のために立ち上がり戦い、ピーターパンが、統合された大人の男へと変容するのを助けたら良いのかを知るのでしょうか?ただ一つ言える答えは、それは「謎(ミステリー)」だということです。

捉えがたく、気取った風に聞こえるかもしれませんが、もし私たちが、ミステリーとは何を意味するものかが分かるならば、この答えはパーフェクトなものです。何か客観的な方法(視点)で、判断できるものではありません。それは、重要な局面において、その人(彼自身、彼女自身)によってのみ、体験され、発見されうるものなのです。それは、深い無意識からの啓示としてやってくるのです。このことが、多くの女性たちが未熟な男性との関係性を良くしようとしても、まま失敗してしまう、その理由といえるかもしれません。それに対して、もし誰もが使用可能な客観的方法論でもあるなら、この世にピーターパンは一人もいなくなることでしょう。

一方、「永遠の子供」(プエル・エテルヌス)ついて語ったユングは、無意識は、その潜在性を表現するために、ミステリーを必要とするのだ、と明言しています。ミステリーなくして創造性はなし、なのです。それが無ければ芸術も存在しえないのです。私たちは皆、絶えることのない自己(真のアイデンティティー)探求への道へと押し出されて突き進むためには、私たちは誰しも、傷が必要であり、それが故に、傷はなくなるということはあり得ない、とまでユングは言い切っているのです。

次の連載では、ソフィー(ハウルの動く城のヒロイン)自身の啓示(解放、悟り、目覚め、理解)への鍵を探るために、彼女の性格を掘り下げてゆきます。

原文(英語)はコチラ
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by xavier_astro | 2009-11-12 00:00 | 心理  

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